生前版画集について

鬼百合に揚羽蝶「鬼百合に揚羽蝶」リトグラフ
1964年 限定100部
パリのガルニエ画廊での個展の際、
ポスターに選ばれた油彩画を
原画とした版画です。
熊谷守一は存命中、版画の制作も精力的に行いました。
1930年代から画家の世界のみならず 文化人や美術愛好家にも愛され、1940年、第27回二科展にて現存画家としては異例の「熊谷守一生誕六十年記念」特別陳列が行われると、熊谷守一の名はますます世に知られるようになります。そして、各出版社から熊谷守一監修の版画が発行されました。

自然の色に深いこだわりのあった守一は、版元に何度も何種類も試し刷りを依頼し、自分の納得する色が出るまで頑として許可を出さなかったと言われ、お蔵入りになった版画もあるとされています。
江戸の浮世絵文化以来、職人気質を守り続けてきた 版元や刷り師たちも 守一の作品への情熱を感じたのでしょう、版画用の絵具に油絵具の成分を混ぜ込んだり、版画の絵具の代わりに水墨画の墨や色墨を用いたりの工夫で守一に応えていきました。現在では「とても採算があわない」と驚かれる守一の版画は、色の発色、絵具ののりや質感において高い評価を得ています。

"版画は二人で勝手の仕事のくい合わせで面白くなると思います"
熊谷先生は版画を複数の美術品というよりは、肉筆の分身としての版画作品と捉えてみえたようです。守一の言葉からは、自身の作品への情熱と、それに応えた刷り師たち職人気質がうまく合わさって、高質な作品ができたことへの喜びが感じられます。

版画販売


pick up 熊谷守一生前全版画集が刊行されています

20余年かけて集めた柳ヶ瀬画廊の資料をもとに2007年、岐阜新聞社から熊谷守一の生前に作られた全版画の総目録(カタログレゾネ)が発行されました。熊谷守一の次女で熊谷守一美術館(東京都豊島区)館長・熊谷榧氏監修、天童市美術館学芸員・池田良平氏編集の一冊です。全版画がカラー掲載されているため、生前版画のお探しにも、守一の絵を楽しむにも優れた好適品です。版画図版140種類が掲載されています。
(限定1000部、布装上製本ケース入、総ページ156頁、税込定価18000円)

老農夫「老農夫」木版画
1975年 限定150部
後ろの黄色い木はキハダという木で、
現在も腹痛薬として広く
使われています。
付知のヒヨウ時代を感じさせる
版画です。

版画

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